大型家電量販店は、外出自粛等の影響を受ける一方で、
巣ごもり需要によって家電・家事用品などのニーズが高まりました。
加えてテレワーク需要が追い風となり、
エアコンやノートPCなどの需要を取り込むことができたからと考えられます。
しかし一方で閉店する店も出てきています。
好調なのは郊外店であって
都市部は売上が減少し維持するのが難しくなってきました。
消費者の移動範囲が狭まり、
自宅周辺での購買行動にシフトしたことを示しています。
新型コロナウイルスが与える影響として、
人の流れが変わり消費パターンが変わりました。
見方を変えれば、コロナ禍ゆえの需要が生まれていると言えそうです。
そうした消費者ニーズの変化にもう少し着目していきます。
総務省の「家計調査(二人以上の世帯)」によると、
コロナ前と後で消費行動の大きな違いが鮮明になっています。
新型コロナウイルスの影響のない
2019年と2021年を比較して実質増減率で大きなマイナスとなっているのが、
パック旅行費(▲82.7)、飲食代(▲76.8)、航空運賃(▲71.2)などとなっています。
外出が制限され飲食代を大きく減らす一方、
家計消費の上昇率が高まった食品があります。
ウイスキー、鯛、うなぎの蒲焼などの高級食品です。
外食が減るなか、家の中では少し贅沢をしたいとする消費者心理がうかがえます。
個人消費の傾向をまとめると、
テイクアウトが一般的なハンバーガーや冷凍調理食品の購買が増え、
内食(家庭食)のプチ贅沢化がトレンドとなっています。
加えて、インターネットを活用した出前、
食料品、家具、医薬品、デジタルコンテンツの購買が増加しています。
出典:総務省統計局ホームページ
家計消費状況調査通信2020年10月発行より
ネットショッピングの支出額に占める主な項目の支出割合(2人以上の世帯 2020年4~6月期及び2019年平均)
そして、それに加え、
実店舗ではなくネットショッピングの比率が急上昇していることがわかります。
コロナ禍は従来の実店舗型かつ、
コロナの行動制限に左右されるビジネスは打撃を受けましたが、
うまくトレンドに載った商品や、
行動制限があるからこそ伸ばした
ネット型、非接触型のサービスは急進したことが伺えます。
そして、この傾向は元に戻ることはなく、
標準化されていくのではないでしょうか。